
春が近づいてくると気になるのが紫外線。皆さんは何歳から日焼け止めを塗り始めたか、覚えていますか?大人も子供も、紫外線対策は必須です。
では実際のところ、何歳から日焼け止めを塗る必要があるのでしょうか?その真相とともに、赤ちゃんの日焼け対策について解説していきます。
日焼け止めは何歳から塗るべき?
その答えは、"生後2〜3ヶ月頃の赤ちゃん"からです。

大人も子供も、肌の構造自体は同じですが、子供は大人よりも皮膚が薄く、皮脂量も少ないと言われています。
赤ちゃんの肌は更に皮膚が薄く、皮脂を分泌する機能もまだ未熟です。肌のバリア機能が弱い状態で、紫外線による肌ダメージを受けやすくなるため、赤ちゃんも日焼け止めを塗る必要があります。
基本的に赤ちゃんの外出は、1ヶ月健診後とされているため、生後2〜3ヶ月頃、徐々に外出するようになる頃から日焼け止めを塗り始めましょう。
使う日焼け止めによっては、赤ちゃんの肌に負担になってしまうことがあります。必ず赤ちゃん用の日焼け止めか、「赤ちゃんにも使える」などの記載がある日焼け止めを選びましょう。
月ごとの紫外線量

図1.日最大UVインデックス(観測値)の年間推移グラフ
紫外線量は、2月から徐々に上昇していきます。
一般的に4月〜8月にかけての時期に紫外線量が多いことが知られていますが、それ以外の月も、紫外線量がピークとなる夏の2分の1以上の紫外線が降り注いでいるため、肌のバリア機能が未熟な赤ちゃんは、通年で紫外線対策を行うのが望ましいと言えます。
日差しが強い季節はもちろん、それ以外でも、午前10時〜午後14時頃の日差しが強い時間帯や、20〜30分以上長時間の外出をする場合は、日焼け止めを塗るようにしましょう。
しかし、日差しが強い時間帯を避け、長袖や帽子・ベビーカーの日よけなどで対策をすれば、必ずしも外出時に日焼け止めを塗らなければいけないというわけではありません。
日焼け止めだけに頼らず、状況に応じた紫外線対策をすることが大切です。
「紫外線には良い面もある」
「日光浴」という言葉もある通り、紫外線にはメリットもあります。
紫外線を適度に浴びれば、体内でビタミンDの生成を促し、骨の発育や健康を維持することに役立ちます。
赤ちゃんはもともとビタミンDが不足しがちなことがわかっているため、紫外線対策のやりすぎにも注意が必要です。
日焼け止めの数値の目安は?
続いては、日焼け止めのパッケージに記載してある「SPF」や「PA」の数値についてです。
「SPF」は、肌に赤く炎症を起こす「UV-B波」を防ぐ時間の持続性を表す指標で、「PA」は、肌を黒くする「UV-A波」を防ぐ効果の指標となるものです。
日常の生活では「SPF10~30」「PA+ 〜 ++」、炎天下での長時間の外出は「SPF30~50+」「PA++ ~ ++++」を目安にするのが良いでしょう。
赤ちゃんの肌に日焼け止めを塗るときに注意することは?

1.初めて使う日焼け止めは事前にパッチテストを行う
2.塗り逃しがないように注意する
日焼け止めを顔に塗る場合は、デリケートな目元や口周りは避け、顔の内側から外側に向かって優しく塗り広げます。
腕や脚などの露出する部分に塗る場合は、両手で握るようにして交互にすべらせながら馴染ませると、まんべんなく塗布することができます。手や足の甲、耳や首などもお忘れなく。
3.こまめに塗り直す
日焼け止めを塗っても汗で流れたり、ハンカチやティッシュで顔や体を拭く際に一緒に拭ってしまったりして落ちてしまうことがあります。「1度塗ったら1日中大丈夫!」と安心せず、できるだけ2~3時間おきに塗り直すか、落ちてしまっていそうな箇所だけでも重ね塗りをして、しっかりと紫外線から肌を守りましょう。
~日焼け止めの落とし方~
紫外線から肌を守る日焼け止めも、ずっと肌に残っていては肌の負担になってしまいます。赤ちゃんの日焼け止めを選ぶ際は、「石鹸で落とせるタイプ」のものがおすすめです。
しっかり洗い流せるように、キメの細かい泡で優しく肌をなでるように洗い落としてください。
石鹸では落ちにくい「ウォータープルーフタイプ」などの日焼け止めを使った場合には、ベビー用のオイルで優しく日焼け止めを浮かしてから石鹸で洗い流すか、ベビー用のクレンジングシートなどを使ってしっかり落としましょう。
日焼け止めを洗い流した後の肌は、非常に乾燥しやすくなっています。洗い流した後はできるだけ時間を置かずに、ベビー用のローションやボディクリーム、オイルなどで保湿してあげましょう。
日陰や曇りの日、更には雨の日でも紫外線は降り注いでいます。
室内にいても、窓ガラスやカーテンさえもすり抜けてしまうこともあります(UV-A波)。
目に見えないからこそ、 紫外線はいつでもどこでも浴びる可能性があるということを忘れずに、しっかり対策をしていきましょうね!
参考文献:
*1 Sun Safety and Protection Tips from the American Academy of Pediatrics