梅やサクラと共に春の訪れを知らせてくれる桃。ひな祭りや、夏になると甘くておいしい実で私達を楽しませてくれる馴染み深い植物です。3月3日の桃の節句や桃太郎など、私達日本人とは古くから身近な存在である桃の魅力について深掘りしていきます。
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桃とは?
英名:peach
和名:モモ
学名: Prunus persica Batsch
植物分類:バラ科 サクラ属
花言葉:「天下無敵」「チャーミング」「気立ての良さ」「あなたのとりこ」
桃の特徴
桃は落葉中高木で樹高は8mに達し、ピンクや白の小ぶりでかわいらしい花を咲かせます。桃の原産は中国の黄河上流、陝西省の高原地帯だといわれ、中国では3,000年以上前から食用として栽培されていました。
日本に伝わったのは、縄文時代か弥生時代だといわれています。当初は食用ではなく、観賞用の花木として珍重され、江戸時代には、全国に産地が広がり200種以上が栽培されていたといわれています。果樹としての栽培が盛んになるのは、明治時代の初めからです。
桃には、花を楽しむ「花桃」と実を食す「実桃」というものがあります。
私達がよく口にする黄桃や白桃などは食用として品種改良して栽培されているもの、ひな祭りなどで飾る桃は、園芸種として栽培されているものになります。
現在日本で広く流通している「白桃」は、中国から伝わった「水蜜桃(すいみつとう)」を元に品種改良を重ねたことで誕生しています。水蜜桃は、とろけるようなやわらかさと甘さ、蜜がしたたるほどのみずみずしさが特徴で、今でも農園によっては高級桃の名称として「水蜜桃」を用いることもあります。
桃の歴史・エピソード
中国から伝わった桃ですが、中国で桃といえば不老長寿・幸運の果実として非常に縁起の良い果物とされています。これには中国の西王母(せいおうぼ)という女神が関係します。
西王母(せいおうぼ)は不老長寿を司る女神で、桃園を管理しています。この西王母(せいおうぼ)の桃園には3000年に1度実を付ける桃があり、それを食べると長寿になれるといわれていました。西王母(せいおうぼ)の誕生日には、この桃園で採れた桃を皆で食す『蟠桃会(ばんとうえ)』という慣わしがありました。そして西王母(せいおうぼ)の誕生日は3月3日でした。
日本でも、3月3日は桃の節句として女の子の成長を願い、桃の木を飾る習慣があります。古来中国の中歳時記にも3月の初めには病を避け、寿命を延ばすために水で身体を清め、髪に柳の一枝を飾り、草もちを供え、桃の酒を飲み、災厄を祓う行事が紹介されています。
日本の節句は、人日(1月7日)・桃(3月3日)・端午(5月5日)・七夕(7月7日)・重陽(9月9日)をあわせて五節句あり、江戸時代に徳川幕府が定めたものです。季節の変わり目や節目に厄を祓い、無病息災を祈るために神様に季節の食物を供えたことに由来します。
3月3日の桃の節句は、もしかしたら古来中国に伝わる西王母(せいおうぼ)の伝説が関係しているのかもしれません。
桃の効果・効能
<桃の主な作用>
・疲労軽減
・高血圧予防
・肥満予防
・むくみ減少
・あせも、湿疹予防
<桃の主な栄養素>
・カリウム
・クエン酸
・カテキン
・ペクチン
・ビタミンC
桃を食べる際には皮をむいて食べますが、桃の皮には緑茶で有名なカテキンが含まれています。カテキンはポリフェノールの一種で、強い抗菌作用を持つほか、抗酸化作用や肥満予防など、体にうれしい効果がたくさんあります。
また、果実にはビタミンE、ビタミンCなど、抗酸化作用や美白効果に嬉しいビタミンを豊富にもちます。さらに果汁には、皮膚代謝促進、沈静、保湿作用があります。肌トラブルを防ぎ、若々しいハリとツヤのあるお肌へと導きます。
桃は、実・葉・種・花と、すべてに栄養や効能が含まれており、捨てる部分がないといわれる優れた植物です。
桃の楽しみ方
ここからは、桃の活用方法をご紹介します。
手軽に日々のライフスタイルに取り入れることができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
食べて楽しむ
‐食後に食べる
桃に含まれるペクチンは、水溶性食物繊維で糖分の吸収スピードを緩やかにして食後の高血糖を予防する働きがあります。そして桃のカリウムには、むくみの原因となるナトリウム(塩分)と水分を排出する効果があるため、ダイエット中のおやつや食後のデザートにおすすめです。
‐油と一緒に食べる
桃に含まれるビタミンEは、油と一緒に摂取すると吸収率が高くなるといわれています。肉料理と一緒に食べたり、サラダにトッピングしてドレッシングをかけたり、オリーブオイルをかけて食べるのもおすすめです。
‐皮ごと食べる
桃の皮に含まれるカテキンは、強い抗酸化作用でアンチエイジング効果が期待できます。また皮と果肉の間が最も甘い部分なので加熱などはせず皮ごと生で食べることで、桃の栄養素を余すことなく摂取することができます。
暮らしで楽しむ
‐桃湯
夏の土用といえば “ うなぎ ” を思い出しますが、江戸時代から『夏の土用は桃湯(もも湯)に入る』というものがあります。桃湯はあせも対策に効果的だといわれ、材料として使われる桃の葉には消炎・解熱に有効なタンニンという成分が含まれており、日焼けやあせも、しっしん、虫さされなど、トラブルの多い夏の肌に効果的だといわれています。
≪桃湯のやり方≫
・生の桃の葉30〜40枚を布袋に詰めて煮だす。
・煮汁ごと風呂に入れて、よくかき混ぜたら完成
毎日のスキンケア・ヘアケアに
ジューシーでおいしい桃は、健康・美肌・ダイエットなど様々な効果効能を持つ植物です。
春から夏にかけて楽しめる桃を、日々の生活に取り入れてみてくださいね。
是非、ネイチャーズウェイの桃配合のコスメもチェックしてみてください!
ネイチャーズウェイ
コンテンツ担当
てらもと