ネイチャーズウェイの製品には、自社農場にて栽培したハーブが使われていることをご存じですか?農場の様子やスタッフのこと、ハーブ栽培の現場の雰囲気をもっと知ってもらうために、農場で働くスタッフから「農場だより」をお届けいたします。
農場だより - 恵みの雨を受けたハーブたち
4月のある日、霧が立ち込め雨が降る中、第2圃場(ほじょう)にて今年2回目となる苗の植え付けを行いました。今回はこの雨の中で植え付けを行ったハーブたちを紹介いたします。
霧が立ち込める第2圃場。
葉がこんもりと茂っているのは、越冬したハーブたちです。
この圃場では、セージ・タイム・カレンドラ・オトギリソウ・セイヨウオトギリソウ・ラベンダー・ローズマリー・スパイクラベンダー・カワラヨモギ・クラリセージ・マロウ・ジャーマンカモミール…と12種ものハーブが育てられています。
厳しい冬を越えたハーブたちの様子を見てみましょう。
▲こちらはタイム。先日の大雨で植穴に水が溜まっていました
▲立派な先輩セージに見守られる新1年生セージ
今回は雨天のため、スタッフ一同泥だらけでの作業となりました。雨の影響もあり、耕うん後間もない畑地はまるで底無し沼のように長靴が沈んでいきます。
歩くだけでも体力を消耗するためヘトヘトになりながらの作業でしたが、この雨はハーブたちにとっては根付きをよくする「恵みの雨」でもあります。おじさんパワーでがんばります!(明日は筋肉痛かな?)
腕が乳酸だらけ!防獣ネットを作成
次は、前回の記事でも紹介した防獣ネットを貼る作業に入ります。
支柱にする直管の片側をハンマーでつぶして矢尻のようにとがらせ、防草シートの上から打ち込んでいきます。支柱はなんと3mもの長さ!打ち込む作業だけでも重労働です。
横支柱を繋ぎ合わせ、隙間が開かないようネットをピンと張りながら固定していきます。もちろん接地面も忘れずに固定。野生のシカはネットに首が入るだけの隙間があると、強引に通り抜けてしまうんです!
▲ようやく防獣ネットの完成。 これでシカの被害を防げるはずです
翌日…
少し風があるものの、昨日と打って変わって朝から快晴となりました。今日の地面はぬかるんではいないようです。今日はエキナセアとアルテアの播種を行います。マルチに穴を開け、5粒ほど散らして撒いていきます。
▲エキナセアの種。画像に5粒写っているのがわかりますか?
▲第1圃場で配管後の散水テスト。隅々まで水やりができています
2日間に渡って使用した器具類を洗い終わるころには太陽は南アルプスに沈み、黄昏時となっていました。小屋の温度計は6.5℃。ハーブたちのためにも早く暖かくなってほしいものです。
おまけ:農場ハーブたちの今の様子をご紹介!
▲キク科のジャーマン(秋植え)とセイヨウノコギリソウ。葉がこんもり盛り上がってきました。これから空に向かって花茎がグングン伸びてきます。
▲セイヨウオトギリソウ。八方から新芽が立ち上がってきました。
▲植えてから2年経過したエキナセア。先ほど種を蒔いたエキナセアも、2年後にはこんな姿になるでしょうか。この時期は新緑の葉が地面から湧き出るように伸びてきます。
▲オウゴンは暖かい日が続いたこともあり、例年になく芽吹きが揃っています。
▲冬には枯れ葉の下で赤い新芽を忍ばせていたアルテアが、花茎をグイッと伸ばし始めました。これから毎月70~80cmも伸び、いずれはバスケットボール選手を超えるほどの草丈にまで伸び続けます。
▲セージは雨を歓迎するかのように、天に向かってたくさんの葉を広げ始めていました。
▲農場の一角でハーブたちを見守ってきたハマメリス(アメリカマンサク)は、防獣ネットとともに施工した防草シートを敷いたおかげで、のびのびと枝を伸ばしています。
この時期は富士山や南アルプスと一緒に見える、鮮やかな桜やハナモモが心を癒してくれます。
▲富士山とハナモモ
ネイチャーズウェイ自社農場「明野ハーブ農場」について
明野ハーブ農場は、山梨県北杜(ほくと)市にある栽培面積3,850㎡の有機栽培を行う自社農場。明野ハーブ農場がある土地は富士山、南アルプス連峰、八ヶ岳連峰に囲まれた茅ヶ岳の南西部、標高800mに位置する丘陵地で、日本一日照時間が長いことで知られています。また昼夜の寒暖の差が大きいため、過酷な環境下でも耐え忍ぶ生命力の高いハーブが育ちます。
農場では、全20種類のハーブを栽培し、製品の原料としても使われています。
▲農場で栽培しているハーブの一部です
■国が認めた「有機JAS認証」を取得
さらに、明野ハーブ農場では、2012年より「有機JAS認証」を取得しています。
<有機JAS認証とは?>
有機JASとは、2000年に改正された日本農林規格(JAS)によって、有機農産物などの表示を認証したもの。 認証は該当物資の生産方法の確認に始まり、製造工程、流通方法、商品の保管・管理とその責任者の制定に至るまで細かく設定され、そして認定検査官の事前審査とオーガニックに関する講習を修了して認定となります。
<取得条件>
・最低でも3年以上は土壌に農薬を使用していない
・有機肥料であっても化学成分や重金属が含まれていないものを使用する
・土壌の性質に由来する自然循環機能の維持増進を図る
・環境・衛生管理の整備(外部からの異物流入や混入も防止)
・上記に関する管理プログラムの制定とその実施
・上記に付帯する全ての事項に関する第三者認定機関による検査および年次更新の審査
日本ではオーガニックコスメに関する法的定義が存在しないのが現状ですが、食品分野においては世界各国ともに法的な規制のもと厳格な定義があり、日本では「有機JAS」がこれにあたります。つまり、有機JAS認証を受けたハーブは、国が認めた公的な有機(オーガニック)農産物だと言えるのです。
スタッフ紹介
開発調査室
荒木真人
農業イベントを企画する会社に7年間在籍し、有機農家にて1年ほどの研修を経験。
「ハーブ栽培」「有機農業」に携わりたいとの思いから、2019年にネイチャーズウェイへ入社。趣味は旅行と読書と家庭菜園。