銭湯や温泉で必ずと言っていいほど目にするサウナ。最近は雑誌やメディアでも紹介される機会が増え、「サウナ好き」を公言する人も多くなり、そういったサウナ愛好者を指す「サウナー」という言葉を見聞きする機会も増えてきました。
サウナで汗をかくこと、身体を温めることは美容に良いとは聞くけれど、正しい入り方やよく耳にする「ととのう」感覚がわからない…という方も多いのではないでしょうか。
今回は都内のサウナ施設を回り、利用者の方々にサウナ×ヨガをレクチャーされているヨガ講師の若狭隆子先生に、サウナの発祥の地であるフィンランドのサウナの基本的な入り方について伺っていきます。
サウナに入る前の準備、理想的な温度や入る時間、サウナとは切り離せない水風呂について、基本的なサウナの入り方から注意点、サウナ後のボディケア・スキンケアについてもお聞きしました。
サウナーへの第一歩! 誰でも実践できる基本的なサウナの入り方をレクチャー
――本日は宜しくお願いします。実は私、サウナの正解がよくわからなくて…。入り方はもちろん、水風呂も苦手で入ったことがなく、銭湯や温泉でサウナがあっても素通りしてしまうんです。今回は私のような初心者でも実践できる、サウナの基本的な入り方を教えていただきたいです。
若狭さん:(以下、敬称略)
はい、よろしくお願いいたします!
まずはサウナに入る前の準備からご紹介していきますね。
基本的なサウナの入り方 ①: かけ湯、ぬるめの湯船に入って前準備
若狭:
まずは浴場に入ってきたら、かけ湯で身体を流すと思うのですが、サウナに入る前にも身体を洗いましょう。皆さんで使う場所ですし、そのまま入ると身体や頭皮の汗の匂いが気になることもあります、なのでエチケットとして洗ってから入ることをおすすめします。
身体を洗った後は、ぬるめの湯船に少しだけ浸かります。
――サウナの前に湯船に浸かってしまうんですか?
若狭:
実は、いきなりサウナに入っても、汗が出にくかったりするんです。だから汗を出すための準備運動として、ぬるま湯に少し浸かるのが効果的です。そしてぬるま湯から上がったら、身体の水滴を拭き取ってサウナへ入ります。
基本的なサウナの入り方 ②: 理想的な温度や入る時間は?
――いよいよですね!サウナの理想的な温度や時間はあるのでしょうか?
若狭:
温度に関しては施設によって微妙に違いますし、何分入るべきかは人それぞれでいいですよ。一部のサウナー(サウナ愛好者)の間では、入るべき温度と時間を決めている方もいますが、まずは無理せず、自分の身体が一番心地よいと思うものを見つけてもらうことが最優先だと思うので、短めの時間から入るのをおすすめしています。
温度にもよりますが、だいたい4分から6分ほど。初めは「いいかな」って思ったくらいで出ていただいて、お肌の表面に浮かんだ汗を流すんですが、私はいつもぬるま湯で流しています。
サウナは、その後に入る水風呂が気持ちいいんですけど、その前に冷たい水で流してしまうと水風呂に入った時の気持ち良さが半減してしまう気がして(笑)。
基本的なサウナの入り方③: 水風呂は入った方がいいの?
――やっぱり、水風呂には入った方がいいんでしょうか?
若狭:
ええ、おすすめです!サウナに入ったあとに水風呂へ入らないのは、正直もったいないと思います!サウナで火照った身体を冷水で冷ますことで、そのあとまた繰り返しサウナや湯船に入りやすくなります。
ちなみに、水風呂に入る前に汗を流すのも施設によっては「そのまま入ってよし」というところがあるんですが、これもエチケットですね。汗は自分の身体から出た老廃物なので、公共の施設であればお互い気持ちよく利用するためにも、できれば一度軽く身体を流しましょう。
そして汗を流したら、いよいよ水風呂へ入ります。はじめは30秒から1分間程度、浸かるだけで構いません。そして身体がサウナにも、水風呂にも慣れてきたら徐々に両方の時間を延ばしていきましょう。
――サウナも水風呂も、まずは短い時間からですね。それであれば挑戦できそうです!
基本的なサウナの入り方④: 疲れているとき、身体が不調な時は無理して入らない
若狭:
大切なのはまず身体のコンディションを見て、無理はしないこと。女性には身体的バイオリズムもあるので、「今日は絶好調!なんだってできちゃう気分!」という日もあれば、「疲れているから今日は癒されたい。」など状態は様々あると思います。本調子ではない時は「調子はいまいちだけど、せっかくだからちょっと無理してでも入っておこうかな…」と、決して無理をしないことです。
サウナに入る方の中には、長い時間入って自分をストイックに追い込んだりする方もいますが、まずは自分をいたわるつもりで入ること。
水風呂が苦手とおっしゃいましたが、もし水風呂が苦手だったら、外気浴(戸外の空気に触れること)でもいいと思います。水風呂に入って身体が冷えすぎてしまったら湯船で温まるなど、ときには休みながら、無理はせずに楽しんでください。
基本的なサウナの入り方⑤ : 身体の温まり加減の理想は?
――ちなみに、身体の温まり加減はどのくらいが理想的なのでしょうか?
若狭:
好みもありますが、サウナと水風呂を行き来していると、急にカーッと熱くなる時があるんです。北欧式のサウナやフィンランドサウナは「来た!」ってわかるんですけど、それを体験するととても楽しいと思います。
あとはいろんなサウナで試してみて、自分の感覚を大事にしてそれを追求していくといいと思います。ときどき、身体は暖まっているはずなのに、汗が出ないということもあったりします。ご自身で何度もサウナへ行って身体が芯から温まる感覚をつかむようにしましょう。
――身体が温まる感覚、それをマスターできたら一人前という感じですね。正しい入り方を教えていただいたことで、サウナへの不安は払拭されました。無理しなくて良いんだなと安心しました。是非、すぐにでも実践してみたいです!
サウナ後も身体をいたわる。おすすめのボディケア&スキンケア
――ちなみに、サウナに入って身体を温めることで、美肌効果も期待してしまうのですが、若狭さんのおすすめのケア方法はありますか?
若狭:
サウナは温まることで血行が良くなりますし、汗で老廃物も排出できる、つまり身体の巡りを促してくれてると思うんです。なので美肌効果は望めると思います。
サウナに入って汗が出るということは、身体の芯が火照っているからなんです。しかし汗が流れる分、肌の表面の水分はなくなってしまうので、そのときにしっかり化粧水などで保湿して、オイル系のもので肌の上に蓋をしていただくことですね。
普段、洗顔後やお風呂上りにお顔にするようなケアを全身にしてあげるとお肌の調子もキープできますよ。シンプルにしっかりと水分を入れて、蓋をする。私もサウナの後は化粧水をつけて、ヴェレダのホワイトバーチのオイルを塗っています。サウナヨガを始めた頃から、毒舌な母に肌を褒められるようになったので、効果は出ていると思います(笑)。
ドクターブロナー マジックソープ S 237mL <ペパーミント>
爽快なミントの香りで気分もリフレッシュ。少量でもしっかり泡立ち、肌のうるおいを守りながらすっきりと洗い上げるので、デリケートな肌の方にも心地よくご使用いただけます。
植物オイルと濃密エッセンスが混ざり合うことで肌へ効果的にアプローチ。肌を柔らかく、水分を引き込みやすい状態にしてあげることでうるおいを長く保つことができます。
ヒップや太もも・二の腕まわりの肌のざらつきをケアするために開発されたボディマッサージ用オイル。ボディの気になる部分にアプローチし、マッサージするごとになめらかでハリのある肌へと導きます。
まずは水分を!サウナに入るときの注意点
――では最後に、サウナに入るにあたっての注意点について教えて下さい。
若狭:
まずは無理をしないこと。そして汗が出るということは水分が失われているので、喉が乾く前に水分補給することですね。お水が飲みにくければ、イオンウォーターでも大丈夫です。糖分が高い飲み物だと血糖値が上がりやすくなってしまうので、糖分控えめのスポーツドリンクなどを飲んだり、スポーツドリンクを薄めて飲んでみても良いかと思います。
――ありがとうございます。汗をかく分、身体の内側も外側もしっかりと水分を取り入れることが大切ですね。注意しながらサウナにチャレンジしてみようと思います。
ヨガインストラクター
若狭隆子
レスタ、アスティル、ラクーアなど、都内に展開するサウナ施設を中心に、サウナとヨガを融合したレッスンを実施。『ゆっくり美しく時をかさねる』をコンセプトにしたセルフケアヨガを展開。