女性の多くが長く付き合っていく生理。その症状には個人差があり、生理痛をはじめ、PMSや貧血・頭痛など、日常生活に支障をきたすほど症状が重い人もいれば、全く平気という人も。
今回は生理の諸症状の中でも「生理痛」に注目し、「デリケートゾーンのケア、大丈夫?生理用ナプキンの選び方」についてお話を伺ったパノコトレーディングの道端さんとサンルイ・インターナッショナルの冨田さんに「生理の痛みを和らげるヒント」について教えていただきました。
生理の症状が重い方はもちろん、特に悩んでいないという人も、改めて生理について知ることで生理中だけでなく普段のデリケートゾーンケアなどに活かせるお話をお届けしていきます。
生理にまつわるトラブル。生理痛や頭痛の原因は「プロスタグランジン」だった!
生理によって起こるトラブルは、主に生理痛や頭痛、貧血などさまざま。その中でも生理痛や頭痛の原因となる「プロスタグランジン」について、冨田さんからお話を伺いました。
冨田さん(以下敬称略):
生理とは、定期的に卵巣から排卵された卵子が不要になったとき、それを守っていた子宮内膜が剥がれ落ち、経血とともに体の外へと排出されることを言います。このとき、子宮内膜から分泌されるのが「プロスタグランジン」です。このプロスタグランジンが多く分泌されると子宮の収縮が過剰になり、生理痛や頭痛が起こります。
――あの下腹部の重たい痛みや断続的に続く頭痛には、明確な原因物質があるということですね。原因を知ることでケア方法も変わってきそうです。
きちんと把握しておきたい、PMS(月経前症候群)について
また、生理が来る少し前…3日から10日間ほど前から心や体の不調を感じる人がいるのではないでしょうか? 特に理由もなくイライラしたり涙もろくなったり、頭痛やめまい、むくみなどさまざまな不調に悩まされる症状をPMS(月経前症候群)と言います。
冨田:
婦人科の先生曰く、昔に比べてPMSの症状を訴える女性が増えているそうです。みなさんも自覚があると思いますが、現代の人々は昔とは比べものにならないくらい多くのストレスを感じているといいます。それによってホルモンバランスが崩れてしまう。
私たちの体はいつも、脳の「視床下部」というところが司令塔となってホルモン分泌や自律神経の働きを促し、寝たり起きたりの活動をしているのですが、それらがストレスによって乱れることでさまざまな不調が起こっていると思われます。
私自身も社会に出て、仕事が充実し、やりたいことに寝る間も惜しんで打ち込んでいた20代のころからPMSを感じ始めました。PMSをご存知なく定期的に落ち込んでしまう自分に悩んでいる…という方も、「これはPMSなんだ」と自覚することで楽になる、なんてことがあるかもしれません。
薬を飲みたくない時に。生理の痛みを和らげるセルフケア方法
方法1:体を温め、血行を良くすることで痛みを軽減しよう
――生理痛が重い時は、鎮痛剤などに頼る前にまず温める。これを実践している人は多くいると思います。実際に身体を温めることで効果はあるのか?冨田さんと道端さんのご意見を聞いてみましょう。
冨田:
先ほど、生理痛や頭痛の原因のひとつとしてお話ししたプロスタグランジン。その分泌を抑えるためにも、体を温めるのは効果的です。冬場ならカイロを貼ったり、電気行火(あんか)を抱きかかえてもいいですね。また軽い運動も血行が促進され、体を温めるという意味でもオススメです。
ちなみに冷えというと、冬場だけのように捉えられがちですが、今は夏場でも体が冷えていることが多いんです。冷房でキンキンに冷えた部屋に長時間いたり、食べ物も冷たい物が増えますので夏場にも体を冷やさないよう、意識して温めるようにしてください。
道端さん(以下敬称略):
温めるといえば、腹巻きを巻いたり、温かいものを飲んだりすることがまず思い浮かびますよね。
あとは、オーガニックコットンを使った生理用ナプキンを生理以外のときにも冷えとりパッドとして使っている方もいらっしゃいます。冬場など体が芯から冷える時にはデリケートゾーンに一枚お布団を引くような感覚で使われているそうです。
――温かいものを飲んだり、腰回りやお腹の温めはすぐに実践できそうですね。また、道端さんのお話によるナプキンでの冷え取り。これはなかなか目からウロコでした。ドラッグストアにもある「よもぎ蒸しパッド」などで、デリケートゾーンから温めることも効果的なんですね。
方法2:ハーブティーを飲んで内側から体を温める
冨田:
身体を内側から温めるという意味では、温かい飲み物を取り入れるというのもおすすめですね。「メリッサ(レモンバーム)」のハーブティーはとても人気が高く、ヨーロッパでは長寿のハーブとして重宝されています。また、女性ホルモンの分泌を調整する働きがある「チェストベリー」のハーブティーを生理前に飲むのもおすすめです。
――薬に頼らず、自然の力を借りて症状を軽減したいという人は、体を内側から温めてくれるハーブティーならすぐに取り入れられそうですね。
対策3:こまめなナプキン交換とデリケートゾーン専用品の活用を!
道端:
以前、お客様から「ショーツで身体を締め付けたくない」という要望を多く耳にしました。ショーツの締め付けによる血液やリンパの滞りからか、むくんだり、不快に感じられている方が多かったのです。
そのため、私たちが生理用ショーツを企画する際にはウエストと足口にはゴムを使用しない形で検討しました。また、素材には天然素材のオーガニックコットンを使うことで蒸れを軽減し、かぶれを防げるように配慮しています。
これから生理用ショーツを購入しようと思っている方は、その点を見ながら検討していただくと良いかと思いますよ。
――生理中はただでさえ水分量が増し、むくんでしまっているのに、さらに下着で締め付けてしまっては血流も滞ってしまう!ということですね。
方法4:生理痛を和らげるツボ押しやマッサージ、食生活を見直す
大切なことは「身体を温めること」と「血流を滞らせないこと」。これらに注意しつつ、その他に暮らしの中で生理の痛みを和らげる方法はないだろうか? ということで、最後に冨田さんにその他のセルフケアについて聞いてみました。
冨田:
血行を促進する、という意味ではマッサージやツボ押しも効果的です。精油の入ったマッサージオイルなどを使うと香りによるリラックス効果も期待できますね。
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富田:
また、個人的にお勧めしたいのが、旬の食材を食べること。今はビニールハウスでの栽培で年中いろんな野菜や果物などが食べられるようになりましたが、やっぱりそのシーズンに取れる旬のものを食べることで、体はより健康になれると思います。
また、生理中に分泌されるプロスタグランジンの調子を整えてくれる食べ物もあります。一部を紹介するとDHA・EPAが含まれるサバ、イワシ、カツオなどの青魚。
マグネシウムが含まれるアーモンド、大豆などの豆製品、ひじき、あおさ、干しエビ、切り干し大根。ビタミンB6が含まれる唐辛子、にんにく、こんにゃく、バジルが挙げられます。これらと合わせて、旬の食材を摂るよう心がけましょう。
――植物由来の精油配合のマッサージオイルなどを使ってのツボ押しやマッサージは、生理中でなくても取り入れたいセルフケア習慣ですね。
おわりに
生理から切り離せない痛みや気分の落ち込み。つらい痛みには無理に我慢せずに即効性のある鎮痛剤を取り入れることも大切ですが、普段から暮らしの中で体を温め、血行を促進し体調の底上げを行っていくことも同じくらい大切ということがわかりました。美しさと同じく、健康も1日にしてならず。日頃の細やかなケアの積み重ねが、生理の痛みや体調にも影響すると考え、できる範囲で日々自分をいたわるセルフケア習慣を取り入れていきたいと思います。
冨田キシコ
株式会社サンルイ・インターナッショナル
営業本部シニアマネージャー
自身の美容の経験を生かして「女性を美しく、笑顔で元気になるために」できる範囲での介護活動支援、盲導犬の支援など今自分でできることを行っている。まずは自分が元気でいるために自身の体と心のケアを欠かさないように、入浴の時間でのリセットを意識しておこなっている。
道端真美
株式会社パノコトレーディング
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美術大学を卒業後、設計会社に勤務。退職して世界26カ国を放浪し、その後単身カナダへ。帰国後、オーガニックコットンを通した嘘のないものづくりに感銘を受け、2018年株式会社パノコトレーディングに入社。産地から直輸入したオーガニックコットンを使ったプロダクトブランド「sisiFILLE(シシフィーユ)」のPRや商品開発、EC運営に携わる。