オーガニックコスメと認証マーク
みなさんは普段、オーガニックコスメを選ぶときに何を基準にしていますか?
わかりやすさから、何かしらのオーガニック認証マークを目印に選んでいるという方も多いのではないでしょうか。
でも同時に、認証マークの種類がありすぎて※1、何を選ぶのが良いか?どんな違いがあるのか?よくわからずに売り場で混乱してしまった…という方も案外多いかもしれません。
※1.主なオーガニック認証団体:「Soil Association(イギリス)」「Demeter(ドイツ)」「ACO(オーストラリア)」「ECO CERT(フランス)」「NaTrue(ベルギー)」「COSMEBIO(ドイツ)」「BDIH(ドイツ)」「USDA(アメリカ)」等。記載はごく一部で、このほかにも沢山の認証マークがある。
そもそも、なぜ認証マークはこんなにも種類があるのでしょうか?
なぜ、日本製のオーガニックコスメなのに、海外の認証マークばかりなのでしょうか?
日本にはそもそも、国が定めたオーガニックコスメの基準が無い
日本国内には、国が定めたオーガニックコスメの基準や定義がありません。
食品には「有機JAS」マークがありますが、これは農林水産省が食品に限って認定しているものなので、厚生労働省が管理している化粧品には適用されないのです。
「国の基準が無い」=「罰則規定もない」ということになります。そのため、何をオーガニックと考えるのかは、いわば化粧品会社の自由。極端な例を出すと、石油由来の成分にほんの1滴オーガニックのエッセンシャルオイルを入れただけでも、オーガニックコスメとして存在できてしまうということになります。さらに言えば、オーガニック食品のように第三者のチェックや製造~流通までの基準もないため、環境に配慮せずに製品が作られているケースも否定できません。(前回お話しましたが、この“環境への配慮”こそがオーガニックの本質であり、価値なのに!です。)
海外のオーガニック認証マークが普及
国の基準が無いうえ、日本には欧米のように知名度のあるオーガニックコスメの認定機関もありません。そのため、前述のような「なんちゃってオーガニックコスメ」との違いを明確にするためには、認知度がある海外の認定機関に頼らざるを得ません。
日本製であっても海外のオーガニック認定を受けている化粧品が多く誕生した背景には、このような事情があるのです。
海外にも、いまだにオーガニックコスメの統一基準はないという事実
海外(主にヨーロッパ)でオーガニック認証マークが数多く誕生した背景には、2000年初頭に起こったオーガニック食品ブームがあります。
もともと食品のオーガニック認定を行っていた団体が、相次いで化粧品についても独自基準を設けて審査・認定を行うようになった結果、認証マークの種類が増えていきました。
各団体は民間の組織ということもあり、なかなか「統一の基準を定めよう!」という流れが起きず、各国各団体の認証基準にはバラつきが生じたままでした。
ところが最近、オーガニックブームがヨーロッパだけでなく世界的に広がったことから、改めて認証基準の統一を求める気運が高まってきました。
すでに動きは始まっており、ヨーロッパの主要な認証団体が集まって、2017年に「COSMOS(コスモス)認証※2」がすでに誕生しています。今後もこのような動きが活発になれば、オーガニックコスメにも世界基準が定まる可能性が考えられます。
※2. 2010年ベルギーのブリュッセルにおいて、ヨーロッパでは有名な5つの認証団体が参加して新たな認証団体「コスモス」を設立した。「コスモス」設立の目的は、ナチュラル&オーガニックコスメのEU統一基準を作ることである。2017年から5つの団体が同じ基準によって、新製品の認証を行うと公表している。
ネイチャーズウェイ
研究開発本部 機能開発チーム
みずの
食品メーカーの品質管理・開発を経験する中で、オーガニックに魅力を感じネイチャーズウェイに入社。植物の魅力たっぷりの優しいコスメを届けたく、オーガニックコスメの企画・ハーブエキスの機能開発に携わる。現在は国産オーガニックコスメchant a charm(チャントアチャーム)の研究・開発を主に担当中。