ネイチャーズウェイの製品には、自社農場にて栽培したハーブが使われていることをご存じですか?農場の様子やスタッフのこと、ハーブ栽培の現場の雰囲気をもっと知ってもらうために、農場で働くスタッフから「農場だより」をお届けいたします。
昔ながらのハトムギ収穫
みなさん、「ハトムギ」をご存知でしょうか?
スキンケアの成分として入っていたり、ハトムギ茶として販売されていたり、どこかで一度は名前を聞いたことがありませんか?
今回は暑さが若干和らぎ、「リ~ン、リ~ン」と鈴虫の鳴き声が心地よく響きはじめた9月の農場から、ハトムギ収穫の様子をお伝えしたいと思います。
まずは、4月に種をまき、1ヵ月経過した頃のハトムギをご紹介します。
この頃の背丈は約20㎝。小さくとも凛として天に向かって真っすぐ伸びています。
その後約4ヵ月経過すると…
なんと!農場長の山口の背丈を超える大きさ(約180cm)に生長しました。
(山口はハトムギの実が成熟しているか確認中)
ハトムギの実は、成熟すると茶色く色づきます。葉の隙間に所狭しと茶色く成熟した実がたくさん実っています!今こそ収穫の時期と判断。この実が化粧品のエキスとして使用されます。
これから「刈り取り」・「実を落とす」・「選別」までの全工程を手作業で行います。慌ただしい1日の始まりです。
まずは収穫作業から。根元の近くから鎌で刈り取ります。
根元の茎は固いため、鎌を握る手に力を入れて「ガッサ! ガッサ!」と硬い音を響かせて刈り取ります。
全ての収穫が終わると、茎から実を外す脱穀(だっこく)という作業をするのですが、一粒一粒の実を手作業で外していては何日かかっても終わりません。
そこで助っ人の登場です!
これ、何だかわかりますか?
(ご存知の方はかなりの農業通です!)
これは「足ふみ脱穀機」。約100年前の大正初期から昭和にかけて、稲の穂を外す時に大活躍しました。今は機械化されてほとんど目にすることはありません。このレトロな見た目が何だかとてもクールじゃないですか?!
この脱穀機、農場長の山口が以前近所の方から譲り受け自宅の納屋奥にしまっておいたのを引っ張り出しています。子どもの頃に少し使っていた山口の記憶を頼りに、早速作業に取り掛かります。
足で「踏み板」を踏むことで、
∩字型の金具が付いたドラムが勢いよく回り、
実の付いたハトムギを入れると「バチバチバチ!!」言う音と共にどんどん実が取れていきます。
ただし、実だけではなく葉や茎も取れてしまうので、実だけの選別が必要です。
網かごに入れて実と葉・茎を大まかに選別していきます。
そしてここからが本番!
残った細かい葉・茎、未成熟の白い実と、成熟した茶色い実を選別していきます。
オレンジ色の手蓑(てみ)に大まかに選別した実などを入れ、ほどよい力の息を吹きかけ未成熟の軽い実や葉・茎を飛ばしていきます。
農業歴30年の農場長の山口は簡単そうに行っていますが、息を吐く力と当てる角度が非常に難しく、私(荒木、農業歴4年)は未だに上手くできません。
息を吹きかけ続け疲れが出始めた頃、扇風機の風でも選別できることを発見!もう少し早く気が付いていれば…。そんな想いと共に作業は続き、日が暮れる頃に全ての作業が終了しました。
ハトムギは今年から本格的に栽培を始めたハーブです。今年1年を通して良かった点と悪かった点を振りかえり、来年の栽培に繋げていきます。
ハトムギを素材としたエキスはまだ研究中で商品には入っていませんが、今後研究を重ねて、お客様の肌をしっかり潤すエキスを開発したいと思います!お楽しみにお待ちください。
ネイチャーズウェイ自社農場「明野ハーブ農場」について
明野ハーブ農場は、山梨県北杜(ほくと)市にある栽培面積3,850㎡の有機栽培を行う自社農場。明野ハーブ農場がある土地は富士山、南アルプス連峰、八ヶ岳連峰に囲まれた茅ヶ岳の南西部、標高800mに位置する丘陵地で、日本一日照時間が長いことで知られています。また昼夜の寒暖の差が大きいため、過酷な環境下でも耐え忍ぶ生命力の高いハーブが育ちます。
農場では、全20種類のハーブを栽培し、製品の原料としても使われています。
▲農場で栽培しているハーブの一部です
■国が認めた「有機JAS認証」を取得
さらに、明野ハーブ農場では、2012年より「有機JAS認証」を取得しています。
<有機JAS認証とは?>
有機JASとは、2000年に改正された日本農林規格(JAS)によって、有機農産物などの表示を認証したもの。 認証は該当物資の生産方法の確認に始まり、製造工程、流通方法、商品の保管・管理とその責任者の制定に至るまで細かく設定され、そして認定検査官の事前審査とオーガニックに関する講習を修了して認定となります。
<取得条件>
・最低でも3年以上は土壌に農薬を使用していない
・有機肥料であっても化学成分や重金属が含まれていないものを使用する
・土壌の性質に由来する自然循環機能の維持増進を図る
・環境・衛生管理の整備(外部からの異物流入や混入も防止)
・上記に関する管理プログラムの制定とその実施
・上記に付帯する全ての事項に関する第三者認定機関による検査および年次更新の審査
日本ではオーガニックコスメに関する法的定義が存在しないのが現状ですが、食品分野においては世界各国ともに法的な規制のもと厳格な定義があり、日本では「有機JAS」がこれにあたります。つまり、有機JAS認証を受けたハーブは、国が認めた公的な有機(オーガニック)農産物だと言えるのです。
スタッフ紹介
開発調査室
荒木真人
農業イベントを企画する会社に7年間在籍し、有機農家にて1年ほどの研修を経験。
「ハーブ栽培」「有機農業」に携わりたいとの思いから、2019年にネイチャーズウェイへ入社。趣味は旅行と読書と家庭菜園。