ネイチャーズウェイの製品には、自社農場にて栽培したハーブが使われていることをご存じですか?農場の様子やスタッフのこと、ハーブ栽培の現場の雰囲気をもっと知ってもらうために、農場で働くスタッフから「農場だより」をお届けいたします。
農場だより - 繊細すぎるハーブの登場!
春のポカポカ陽気はほんの束の間。あっという間に直射日光が強くなり、汗がダラダラと止まらなくなってきた4月の農場です。
3月末から4月中旬にかけて苗の植え付けを集中して行い、ほぼ完了…と喜びたいところですが、農場で一番慎重に扱わなくてはいけない繊細なハーブの植え付けが残っています。
それは「オウゴン」というハーブです。
▲オウゴンは6月~7月に紫色の花を可愛く咲かせます。化粧品のエキスとしては根っこを使います。
オウゴンを他のハーブと同じ4月中に植えない理由は、寒さに弱いから。
農場は山梨県明野町の標高約800mの場所にあり、5月上旬でも霜が降りる日があります。
過去4月にオウゴンを植えた直後に霜が降り一部が枯れてしまうという辛すぎる経験から、5月のGW以降に植えることにしています。(寒さへの弱さ以外にもオウゴンの繊細さを物語るエピソードは沢山ありますので、また別の機会にお伝えします。)
それでは、オウゴンの苗づくりの様子を見ていきましょう。
こちらは現在のオウゴンの様子。3月上旬に種を撒き、ありがたい事に順調に生長しています。今日はまず間引き(たくさん生えた新芽の中から良い芽を選ぶこと)から開始します。
写真を見るとわかるように、1つの区画に4~5本の苗が生長しています。ここから一番生命力の“強い子”を見極めて、1本にします。
「えっ!せっかく生えてきた芽をつむの?」と思ってしまうかもしれませんが、力強く生長させるためには必要な作業なのです。苗が混み合った状態では土の中で根が絡みあってしまい生長が鈍くなったり、風通しが悪くなり害虫が発生することもあります。
▲じっくり観察し、残す苗以外はハサミで切り取ります。
そして生長を促すための栄養補充として、堆肥(家畜の糞や葉っぱなどを発酵させた肥料)を底にひいて作業は完了です。
今年は過去最高の550本のオウゴンを植えているため、作業も膨大に。
(スタッフ3人がかりで5時間ほどかかりました…)
最初はスタッフ3人でワイワイ話しながら作業をしていたものの、中盤以降はさすがに疲れてきたのか、全員無心で集中して黙々と行いました。
最後の仕上げに、「大きくな〜れ〜!」とたっぷりの水をオウゴンにあげます。シャワーを浴びた後のようにさっぱり、イキイキとしているように見えますね。
ここから約3週間後に、もう一回り大きく生長したオウゴンを農場へ植える予定です。
すっかり春の陽気になったハーブ農場。現在は気温が25℃を超える日もあり水の管理に苦労しますが、農場に植えるまでは慎重に気を引き締めて育てていきます。
▼「オウゴン」についてはこちらの記事もご覧ください
・【研究員インタビュー・後編】研究者が注目するハーブ「オウゴン」の効果とは?
・農場スタッフインタビュー – きちんと知りたい!「有機栽培」について
ネイチャーズウェイ自社農場「明野ハーブ農場」について
明野ハーブ農場は、山梨県北杜(ほくと)市にある栽培面積3,850㎡の有機栽培を行う自社農場。明野ハーブ農場がある土地は富士山、南アルプス連峰、八ヶ岳連峰に囲まれた茅ヶ岳の南西部、標高800mに位置する丘陵地で、日本一日照時間が長いことで知られています。また昼夜の寒暖の差が大きいため、過酷な環境下でも耐え忍ぶ生命力の高いハーブが育ちます。
農場では、全20種類のハーブを栽培し、製品の原料としても使われています。
▲農場で栽培しているハーブの一部です
■国が認めた「有機JAS認証」を取得
さらに、明野ハーブ農場では、2012年より「有機JAS認証」を取得しています。
<有機JAS認証とは?>
有機JASとは、2000年に改正された日本農林規格(JAS)によって、有機農産物などの表示を認証したもの。 認証は該当物資の生産方法の確認に始まり、製造工程、流通方法、商品の保管・管理とその責任者の制定に至るまで細かく設定され、そして認定検査官の事前審査とオーガニックに関する講習を修了して認定となります。
<取得条件>
・最低でも3年以上は土壌に農薬を使用していない
・有機肥料であっても化学成分や重金属が含まれていないものを使用する
・土壌の性質に由来する自然循環機能の維持増進を図る
・環境・衛生管理の整備(外部からの異物流入や混入も防止)
・上記に関する管理プログラムの制定とその実施
・上記に付帯する全ての事項に関する第三者認定機関による検査および年次更新の審査
日本ではオーガニックコスメに関する法的定義が存在しないのが現状ですが、食品分野においては世界各国ともに法的な規制のもと厳格な定義があり、日本では「有機JAS」がこれにあたります。つまり、有機JAS認証を受けたハーブは、国が認めた公的な有機(オーガニック)農産物だと言えるのです。
スタッフ紹介
開発調査室
荒木真人
農業イベントを企画する会社に7年間在籍し、有機農家にて1年ほどの研修を経験。
「ハーブ栽培」「有機農業」に携わりたいとの思いから、2019年にネイチャーズウェイへ入社。趣味は旅行と読書と家庭菜園。