ネイチャーズウェイの製品には、自社農場にて栽培したハーブが使われていることをご存じですか?農場の様子やスタッフのこと、ハーブ栽培の現場の雰囲気をもっと知ってもらうために、農場で働くスタッフから「農場だより」をお届けいたします。
農場だより - 今年のオーガニックハーブ農場デビュー
春の兆しが見えてきた3月、農場ではハーブの植え付けを開始しました。この冬は例年より暖かかったので、ハウスで有機育苗している苗も根張り良く順調に生育しました。今年は少し早めにハーブを苗床から土に定植します。
まずはマルチ張り(農業用のマルチシートで畝(うね)の表面を覆うこと)から始めます。例年より暖かいと言ってもまだまだ寒い日がありますので、地温を高め根張りを良くするための黒いマルチシートは必須です。
↑マルチ張り後の第1圃場(ほじょう)。
黒く長細いシートに種まきや、苗の植え付けをしていきます。
今回は春植えのジャーマンカモミール、クラリセージ、ゼニアオイ、セイヨウオトギリソウ、カワラヨモギ…など、移植も組みもあわせて10種類の耐寒性のあるハーブを選別しました。今回はその一部をご紹介いたします。
ジャーマンカモミール
写真は大きく育った春植えジャーマンカモミールの苗。かなり込み合ってきていますね。カモミールはメディカルハーブ*の中ではローマン種よりもこのジャーマン種を使うことが多く、心身をリラックスさせるハーブとして最初に名前の挙がるハーブです。
*ハーブの中でも安全性や健康に役立つことが評価されているものは「メディカルハーブ」と呼ばれています。
ゼニアオイ
ゼニアオイは特に生育旺盛で、ポットの中で根が詰まり葉っぱの黄変*が始まりそうなほどでした。ゼニアオイは粘液質の多糖類を含み、保湿作用に優れたハーブのひとつとして知られています。
*本来緑の葉が、黄色く変色してしまうこと。
セイヨウオトギリソウ
育苗中に何度も「切り戻し」という、より健やかに大きく成長してもらうために大胆に枝を剪定をしたので苗は小さく見えますが、ポットの中で根がパンパンに詰まっています。セイヨウオトギリソウは古代ギリシャ時代から心を静める作用があるとされ、近年では育毛効果も期待されています。
カワラヨモギ
一見すると他のハーブより生い茂っていないように見えるカワラヨモギですが、実はこの状態が植え時です。その名の通り「河原に自生するヨモギ」の一種で、この時期の葉っぱはうっすら細かい毛に覆われ白っぽく見えますが、5月になるとスギナの様な細い葉に変わっていきます。漢方では「インチンコウ」としても知られ、化粧品としては角質水分増加や抗炎症作用が期待されています。
クラリセージ
競い合うように葉を広げているクラリセージの苗。クラリセージは年を越して花を咲かせる二年草で、当農場では毎年初夏に香り高い花を咲かせ、たくさんのミツバチが集まってきます。また、女性ホルモン作用を有し女性に優しいハーブとしても知られています。
↑クラリセージを植え付けした様子がこちら。
植え付け後、さっそくゼニアオイだけ防獣ネットで覆いました。
なぜゼニアオイだけ防獣ネットを張るのかというと、2年前にゼニアオイだけがシカによる食害で壊滅してしまったからです。ハーブのおいしさを知ったシカが再来する可能性が高いため、毎年欠くことのできない大事な作業となっています。
植え付け後の水やりは広域にわたるので、散水ホースで行います。水の散り具合を調整しながらホースを設置します。
↑ホースによる水撒きの様子です。 遮るものがないこの光景はとても壮観で、撒いている水に太陽の光が当たると綺麗な虹が出るんですよ。
こうして、新人ハーブの1組目が農場デビューしました。肥料、農薬は一切使用しない当農場。この自然の中で、たくましく育ってくれることを願わずにはいられません。
ネイチャーズウェイ自社農場「明野ハーブ農場」について
明野ハーブ農場は、山梨県北杜(ほくと)市にある栽培面積3,850㎡の有機栽培を行う自社農場。明野ハーブ農場がある土地は富士山、南アルプス連峰、八ヶ岳連峰に囲まれた茅ヶ岳の南西部、標高800mに位置する丘陵地で、日本一日照時間が長いことで知られています。また昼夜の寒暖の差が大きいため、過酷な環境下でも耐え忍ぶ生命力の高いハーブが育ちます。
農場では、全20種類のハーブを栽培し、製品の原料としても使われています。
▲農場で栽培しているハーブの一部です
■国が認めた「有機JAS認証」を取得
さらに、明野ハーブ農場では、2012年より「有機JAS認証」を取得しています。
<有機JAS認証とは?>
有機JASとは、2000年に改正された日本農林規格(JAS)によって、有機農産物などの表示を認証したもの。 認証は該当物資の生産方法の確認に始まり、製造工程、流通方法、商品の保管・管理とその責任者の制定に至るまで細かく設定され、そして認定検査官の事前審査とオーガニックに関する講習を修了して認定となります。
<取得条件>
・最低でも3年以上は土壌に農薬を使用していない
・有機肥料であっても化学成分や重金属が含まれていないものを使用する
・土壌の性質に由来する自然循環機能の維持増進を図る
・環境・衛生管理の整備(外部からの異物流入や混入も防止)
・上記に関する管理プログラムの制定とその実施
・上記に付帯する全ての事項に関する第三者認定機関による検査および年次更新の審査
日本ではオーガニックコスメに関する法的定義が存在しないのが現状ですが、食品分野においては世界各国ともに法的な規制のもと厳格な定義があり、日本では「有機JAS」がこれにあたります。つまり、有機JAS認証を受けたハーブは、国が認めた公的な有機(オーガニック)農産物だと言えるのです。
スタッフ紹介
開発調査室
荒木真人
農業イベントを企画する会社に7年間在籍し、有機農家にて1年ほどの研修を経験。
「ハーブ栽培」「有機農業」に携わりたいとの思いから、2019年にネイチャーズウェイへ入社。趣味は旅行と読書と家庭菜園。