「撫子」(なでしこ)の名前のとおり、小さく可憐でかわいらしい見た目をしたカワラナデシコ。秋の七草の一つとしても知られ、万葉集にはカワラナデシコを詠んだ歌も多く存在するほど、古くから身近であり愛されてきたハーブです。
今回はそんなカワラナデシコの魅力や効果効能について解説します。
TOPICS
カワラナデシコとは?
英名:pink
和名:河原撫子
学名:Dianthus superbus var. longicalycinus.
植物分類:ナデシコ科ナデシコ属
花言葉:「可憐な純情」「貞節」「大胆」「才能」
カワラナデシコの特徴
カワラナデシコはヨーロッパ・北アメリカ・中国・日本など様々な場所に自生するナデシコ科ナデシコ属の耐寒性常緑多年草です。
日本に自生しているナデシコ科ナデシコ属の種類のことを「カワラナデシコ」と呼びます。名前に「河原」とつくように、本州・四国・九州の日当たりの良い草原や河原などに生育し、高さ30〜80cmほどまで成長します。
開花は7月から10月頃で、薄紅色の花を咲かせます。花の直径は約4〜5センチほど。5枚に開く花びらは先が細かく糸状に裂けているのが特徴です。
カワラナデシコの英名は「pink(ピンク)」ですが、その名は薄紅色の花びらからつけられたという説と、ギザギザとした花びらを鋏になぞらえ、紙や布を切る「ピンキング鋏」が由来しているという説もあります。
漢字では「河原撫子」と書かれますが、「河原に咲く撫でて育てるかわいい花」という意味からつけられました。
カワラナデシコの歴史・エピソード
カワラナデシコは、中国からの渡来種と区別するために、「ヤマトナデシコ」ともよばれ、日本女性の美徳や優雅さを象徴する植物として知られてきました。
繊細でありながらも健気に育つ姿が、美しくもたくましい女性のイメージと重ね合わされてきたようです。
そんなカワラナデシコに魅了される人は多く、万葉集にはカワラナデシコが登場する歌が26首も所収されています。
中でも万葉集編纂に関わり、中心人物であった大伴家持(おおとものやかもち)は、その26首のうち11首を詠んでおり、カワラナデシコの愛好ぶりが伺えます。
≪大伴家持が詠んだ歌≫(万葉集巻十八 4114)
『撫子が 花見る毎に をとめらが 笑まひのにほひ 思ほゆるかも』
訳:なでしこの花をみるたびに、あのひとの笑顔の美しさを思い起こします。
「あのひと」とは、都に残してきた家持の妻を指します。家持は都にいる妻を思って、自分の家の庭になでしこの種を蒔いていたといわれます。
「撫でて育てる花」の名の通り、愛する妻の姿を重ねて大切に大切に育てていたのかもしれません。
そんな古くから愛されてきたカワラナデシコですが、近年では環境変化や開発などが進んだことにより、カワラナデシコが自生できる土地が少なくなってきており、埼玉県・沖縄県・鹿児島県では、絶滅危惧種・準絶滅危惧種に指定されています。
カワラナデシコの効果・効能
カワラナデシコは、古くから観賞用としてだけでなく漢方薬や民間療法でも用いられてきました。
〈カワラナデシコの主な作用〉
・抗炎症作用
・抗酸化作用
・抗菌作用
・血流改善作用
・免疫向上作用
・利尿作用
・月経不順の調整
カワラナデシコには「サポニン」という成分が含まれています。
サポニンは抗酸化作用が強く、体内の酸化を防ぐ働きがあります。これにより肌の老化やシワ予防といった効果が期待できます。
また、抗炎症作用や抗菌作用などもあるため、炎症しているニキビやゆらいでいる肌の鎮静などトラブルを起こしている肌にも嬉しい成分となります。
カワラナデシコの楽しみ方
ここからは、カワラナデシコの活用方法をご紹介します。
手軽に日々のライフスタイルに取り入れることができるので、是非参考にしてみてください
ね。
‐クレンジングとして
カワラナデシコが持つサポニンという成分は、ラテン語で石鹸を意味する「サポ」から名前がつきました。天然の界面活性剤ともいわれ、汚れや皮脂をやさしく浮かせて洗い流す効果があり、毛穴の詰まりを防ぎ透明感のある肌を保つのに役立ちます。
抗菌効果もあるため、カワラナデシコのエキス配合のクレンジングを使用することで、メイクオフと同時にニキビや毛穴ケアを効率よく行うことができます。
毎日のスキンケア・ヘアケアに
カワラナデシコは、観賞用の植物として美しいだけでなく抗酸化作用や抗炎症作用などをもつため、健康的で美しい肌をサポートしてくれるハーブです。
是非、ネイチャーズウェイの「カワラナデシコ」配合のコスメもチェックしてみてください!
ネイチャーズウェイ
コンテンツ担当
てらもと