そもそも洗顔の目的って何?
洗顔の目的は、余分な皮脂、汗、垢、付着したほこり、微生物、化粧品の汚れなどを取り去り、皮膚を清潔にすることで健康で美しい肌を保つことです。
特に余分な皮脂が肌に残っていると、太陽を浴びることでその皮脂が酸化し、炎症を引き起こしてしまうこともあります。1)~3)
こうした肌トラブルを防ぐためには、洗顔はとても重要なステップといえます。
しかし、「汚れを落とす」というイメージが強いために、洗顔をするときについゴシゴシと力を入れてしまいがちですが、それは肌にとっては摩擦=肌負担となり、これも肌トラブルの原因になります。
つまり、肌にできるだけ負担をかけずに、しっかりと汚れを落とすことが大切なのです。
洗顔料の汚れを落とす主成分「界面活性剤」
一般的に洗顔料の「汚れを落とす」ための成分には、「界面活性剤」が使われています。界面活性剤とは、水と油を馴染ませる性質のある成分です。
界面活性剤は、親水基という水になじみやすい部分と、親油基という油になじみやすい部分からなっています。(図1)
図1.界面活性剤の分子構造
日本石鹸洗剤工業会:石けん洗剤知識、石けん洗剤の化学 より
本来はじき合って混ざり合わない水と油の両方に馴染むため、皮脂などの肌の油汚れにも馴染み、しっかり落とすことができます。
界面活性剤=肌によくないというイメージを持っている方も多いかもしれませんが、近年、天然成分から作られた界面活性剤も多く存在していています。また、使い方次第では肌への負担を少なくすることもできます。
「界面活性剤」の汚れを落とすメカニズムと「泡」の重要性
図2.洗浄のメカニズム
また、界面活性剤は水に溶かすと泡立つ性質があります。
泡立てることで汚れを浮かび上がらせ、皮膚をこすりすぎずにスムーズに汚れを落とす効果が期待できます。
泡立てると洗浄成分の濃度が低くなり水に流れやすくなるため、洗顔料のすすぎ残しも防げます。つまり、しっかり泡立てることで界面活性剤が皮膚に残って付着するのも防ぐことができるのです。4)
肌を優しく洗い上げるには「泡」が重要な役割を果たしてくれています。
美肌に近づく!泡洗顔の方法
それでは、美肌に近づくためのおすすめの泡洗顔の方法を詳しくご紹介していきます。
■Step.1 ぬるま湯ですすぐ
手をよく洗ったら、顔を数回ぬるま湯ですすぎ洗いをし、顔全体を濡らしましょう。
■Step.2 洗顔料を泡立てる
泡立てネットを使用すると濃密で弾力のある泡を立てやすくなります。泡だてネットをぬるま湯で軽く濡らしてから洗顔料を適量のせ、両手で揉み込むようにして泡立てます。もっちりと弾力がある細かな泡になるまで泡だてネットを揉みましょう。
最初から泡で出てくるタイプの洗顔料は、界面活性剤の濃度も適度で、泡立ての手間もいらないのでおすすめです。
■Step.3 Tゾーンから洗う
■Step.4 Uゾーンを洗う
■Step.5 目元や口元は最後に洗う
目元や口元など皮膚が薄くデリケートな箇所は、泡をのせて優しく馴染ませるだけでOK。皮膚が薄い部分はシワになりやすいので、決してこすらず、優しく丁寧に扱いましょう。
■Step.6 ぬるま湯で洗い流す
泡を洗い流すときも顔をこすらないように注意しましょう。両手でぬるま湯を顔にかけてそっと洗い流し、生え際、目鼻のくぼみ、耳の横、なども泡が残らないようしっかりすすぎます。
■Step.7 タオルで優しく水分を吸い取る
タオルでゴシゴシと拭くのは厳禁。タオルを広げて顔を包み込み、顔をそっと押さえて優しく水分を吸い取ります。
■Step.8 うるおい補給
タオルドライが済んだら、できるだけ早く化粧水や乳液などでうるおい補給をしてあげましょう。
洗顔は毎日行うもの。いつもの洗顔をちょっと見直すだけで、きっとワンランク上の素肌が手に入るはずです。
肌の乾燥を感じたときこそ、良質な泡で丁寧な洗顔を心掛けてみてください。
泡洗顔で理想の美肌を手に入れましょう!
参考文献
1) 上田宏, 日皮誌, 81, 736-737 (1971)
2) 早川律子, 日皮誌, 81, 11-29 (1971)
3) K. Motoyoshi, Br. J. Dermatol., 109, 191-198 (1983)
4)高橋きよみ, SCCJ研究討論会講演要旨集, 44(1996)
ネイチャーズウェイ
研究開発本部 機能開発チーム
みずの
食品メーカーの品質管理・開発を経験する中で、オーガニックに魅力を感じネイチャーズウェイに入社。植物の魅力たっぷりの優しいコスメを届けたく、オーガニックコスメの企画・ハーブエキスの機能開発に携わる。現在は国産オーガニックコスメchant a charm(チャントアチャーム)の研究・開発を主に担当中。