オーガニック石鹸は、農薬や化学肥料などに頼らず、有機農法で栽培された植物原料から作られた石鹸です。厳密な規定はありませんが、多くは植物油などの主原料がオーガニック原料。「プラスチックゴミを減らせる」などのSDGsの観点からも固形石鹼のニーズが高まっている中、オーガニック石鹼は、より環境へのやさしさに配慮した石鹼といえます。
ナチュラル石鹸・無添加石鹸との違いとともに、オーガニック石鹼の魅力をたっぷりご紹介していきます。
オーガニック石鹸とは?どんな魅力がある?
オーガニック石鹸とは、一般的に「有機農法で育てた植物由来の原料を含む石鹸」を差します。肌に心地よく、環境にも配慮された、敏感肌の方でも使いやすいのが魅力です。
農林水産省の定義*では、有機農法とは「化学合成した肥料・農薬を使わない」「遺伝子組換え技術の不使用」「環境への負荷をできるだけ低減する」としています。
"オーガニック石鹼を選ぶ"ということは、単に私たちの身体を綺麗にするだけでなく、動物や植物が生きやすい、健やかな地球を守ることにも繋がるのです。
* 参照 農林水産省「有機農業・有機農産物とは」
オーガニック石鹸とナチュラル石鹸・無添加石鹸の違いは?
「ナチュラル石鹸や無添加石鹸となにが違うのだろう?」と疑問に思うかもしれません。
法的に決められた明確な区別はありませんが、一般的に以下の違いがあります。
ナチュラル石鹸は、天然由来の原料を使った石鹸です。
オーガニック石鹸に似ていますが原料の育て方に規定はなく、慣行農法(法律に沿って化学肥料や農薬などを適量使う、一般的な農法)の原材料も使います。
無添加石鹸は、石鹸の主原料(油脂とアルカリ性原料)以外の添加物を加えていない石鹸です。香り成分や保存料などを加えないので、無臭か油脂などの原料の匂いがあります。
オーガニック石鹸のメリット・デメリット
オーガニック石鹸は自然環境に配慮されるなどのメリットがありますが、デメリットはあるのでしょうか。3つの視点から解説します。
1:肌へのメリット・デメリット
オーガニック石鹸は、豊かな自然環境で育まれた天然由来成分が主成分です。肌当たりが心地よく、敏感肌の方でも使いやすいといわれています。石油由来の成分や化学物質に敏感な方は、より使いやすいでしょう。香りも天然由来の香料が使われているものが多いため、ナチュラルで心地よい香りを楽しめます。
肌に対するデメリットはあまりないですが、比較的価格が高価になるので、思い切って使いにくいかもしれません。
また、石鹸によっては泡立ちが良くないことがあります。石鹸はしっかり泡立てないと肌の汚れが落ちにくいので、泡立てネットなどを使うのがおすすめです。
敏感肌の方やアレルギー体質の方は、オーガニック石鹸でも何らかの植物成分と相性が良くないことがあるので、使用する前に二の腕の裏などでパッチテストを行いましょう。
2:環境へのメリット・デメリット
オーガニック石鹸は、農薬や化学肥料を使わず、持続可能な方法で育てられた原材料を使用するため、製造時から使用時まで自然環境に悪影響を与えにくいのが特徴です。
また、オーガニック石鹸は合成洗浄剤に比べて小規模の工場でも作りやすく、エネルギー負荷がかかりにくい製造ができるため、環境負荷を抑えることができます。
デメリットは、石鹸カスの排出量によっては水質汚染に繋がることです。
石鹸を使用したときに出る石鹼カスは、魚や微生物のエサとなるため環境負荷にはなりません。しかし、過剰に排出されるとそれだけ微生物が集まり、水中の酸素濃度が低下し、結果的に水中の生き物たちに悪影響を与えてしまうのです。
石鹼を使うときは適量をしっかり泡立てるようにして、必要以上に使用するのは避けましょう。
また、石鹸の主原料であるパームヤシの農地拡大で環境破壊が進むなどの問題もあります。
オーガニック石鹸の選び方・ポイント
オーガニック石鹸を選ぶ際は、主に以下の4つの要素を確認してみましょう。
1:成分・原料
全成分がオーガニック原料という石鹸はほとんどありませんが、配合成分のうち、どれくらいオーガニック原料か使われているか、またはオーガニックに近い環境で育った原料が使われているかなどを確認してみましょう。
成分表は配合量順に記載されているため、特に最初の方に記載されている主成分の植物油に注目してみてください。
香料や保湿成分などはオーガニックではない場合がありますが、「天然由来成分100%」という記載があれば合成成分が配合されていない証拠なので、これもひとつの選ぶ基準となるでしょう。
2:認証マーク
オーガニック認証マークは、厳しい基準をクリアしたものだけでに与えられる、オーガニックであることを認められた証明バッジのようなもの。一目でオーガニック製品だとわかるため、マークがついているかを注目してみるとよいでしょう。
ドイツの「BDIH認証」や、アメリカの「OTCO(オレゴンティルス認証オーガニック)」、ベルギーの「NATRUE認証」など各国で様々なオーガニック認証があり、認証の基準は機関ごとに異なります。
オーガニック認証マーク以外にも、英国のヴィーガン団体「The Vegan Society」、サステナブル(持続可能性)な会社に認可される「B Corp」、フェアトレードに関する認証団体の「WFTO」などもあります。
3:ブランド
石鹸は鹸化(けんか)という化学反応で油脂を石鹸に変えます。
この鹸化の方法や、配合成分のバランスなどはブランドごとに個性があり、肌触りや使い心地にも差があります。ブランドのヒストリーやこだわりなどもチェックしながら、自分に合うブランドを探してみましょう。
4:求めている効果・効能
「石鹼=つっぱる」というイメージがありますが、保湿力が高いものもたくさんあります。
オーガニック石鹼作りの過程で生まれる副産物である天然由来のグリセリンは、化粧品によく使われる保湿成分で、洗浄後の肌のつっぱりを防ぐ効果があります。この天然由来のグリセリンをそのまま配合した石鹼は、しっとりとした洗いあがりです。
その他にも、植物エキスやオイルのブレンドによって保湿力や使用感、肌への効果が異なるため、配合成分の特徴にも着目して製品詳細を確認しましょう。
オーガニックにこだわった「ドクターブロナー」の石鹸
ドクターブロナーの「マジックソープバー」は、フェアトレードで調達されたオーガニック原料で作られ、様々な認証・認定マークを取得したオーガニック石鹼です。
こだわりの植物オイルブレンドで、しっとりとした洗いあがり。
環境破壊問題として注目されているパーム油は、ドクターブロナーではパーム農家と協力し、「リジェネラティブ・オーガニック」で栽培。生物の多様性を高め、土壌を豊かにし、気候変動を抑制する、厳しい基準をクリアしたオーガニック栽培方法です。熱帯雨林やその他の野生生物の生息地も破壊せず、森林の焼畑も行っていません。
カリフォルニア発の、天然由来成分100%でできたオーガニックソープバー。
合成界面活性剤、合成保存料、合成着色料など合成添加物は一切使用しておらず、デリケートな肌でも心地よくお使いいただけます。浴室で溶けにくく、開けたての使い心地が続くところも人気のポイント。クリーミーな泡が、しっとりすべすべ肌に洗い上げます。11種類のフレグランスの中から、お好きな香りをお選びください。
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まとめ
オーガニック石鹸は、環境にやさしいだけでなく、私たちの素肌をいたわる心地よい石鹸です。不要な汚れを落としながら肌のうるおいは守ってくれるので、乾燥肌の方や、肌トラブルでなかなか自分に合う洗顔料やボディシャンプーが見つからない…という方にも特におすすめです。
石鹸は、オーガニックを生活に取り入れてみる最初の一歩にもぴったり。オーガニックなものに少しでも興味を持っている方は、是非、石鹼から変えてみませんか?
ネイチャーズウェイ
コンテンツ担当
さくらい
ネイチャーズウェイ
研究開発本部 機能開発チーム
あらき
農業関係の仕事を経て、ハーブの栽培担当のスタッフとしてネイチャーズウェイに入社。
現在は法律に基づいた広告の運用や、製品の効能効果を調査する業務に従事する。